手紙

マジックミラーの向こうで手を振って、哀れんでいるのは自分だけだと殻のなか。

 

夜ばかりに逢うのは道化師、赤と白いはななら金魚にでもなれば良かったものを、それとて先行き不安は募るばかり

 

邂逅に急かされて、零手先をよむ灯台の下。

 

手枷を開いて。足枷を開いて。

 

暫くは金木犀の香りに閉じ込めておくしかない。